中学受験に必要な算数の力というと、どんな力を思い浮かべるでしょうか?
計算力、典型題解法の記憶、図形センス、ひらめき。。。。
挙げればキリがないように思います。
私は、中学受験において武器になる力として、2つを重要視しています。
・ 差に着目する力
・ 場合分けして考える力
「差に着目して解く力」は、和と差に関する問題に限ったことではなく、速さ、割合、そして、図形でも活躍します。
今回は、この「差に着目して解く力」を、机に向かう学習ではなく、日常の生活から意識するきっかけになることを書いてみたいと思います。
「おつり算」という言葉をご存じでしょうか。
この言葉がいつ生まれたか定かではありませんが、日本独特の支払い方の文化で、代金に対して、おつりの硬貨の枚数を少なくなるようにはらう支払い方のことの計算を「おつり算」と呼ばれています。
具体例として、
600円の買い物に、千円札を1枚出すと、おつりが100円玉4枚になることに対して、千円札1枚と百円玉1枚を出すことによって、おつりが500円玉1枚になり、硬貨の枚数が少なくなります。
上級編となると、1659円の買い物に対して、2160円の支払いで、おつりが501円となり、千円札2枚出すと、おつりの硬貨が8枚になるものが、2枚で済むようになります。
このような買い物の仕方をすることで、無意識に補数に対する感覚が育っていきます。
上級編のような金額をお子さまに任せる機会はなかなかないでしょうが、親子で買い物に行った際に、一緒にやってみてもよいかもしれません。
最近は、一部のコンビニやスーパーで自動精算機が導入されたことによって、支払い方を慌てず考えられるようにもなりました。
一方で、電子マネーなどのキャッシュレス決済が増え、現金で買い物をする機会が少なくなっている中で、取り入れるのは難しいかもしれません。
私自身もポイントがたまることから、電子マネー決済の機会が増え、現金決済の機会がこの数年でかなり減りました。しかし、そのポイントと引き替えに、補数計算力が落ちていると痛感しています。
現金でしか決済できない買い物時に、以前であったら迷うことなく、おつりの枚数が最も少なくなる支払う金額を財布の中を見てできていたことが、ちょっと迷うようになってしまいました。
数の感覚というのは、机に向かう学習でのみ培われるのではなく、こういった買い物などでも知らず知らずにうちに培われていきます。
時代の流れの中で、実践する機会は減ってはいますが、機会があれば実践してみてはいかがでしょうか。
机に向かわないということに相反しますが、差に着目する力の向上のために進学教室アシストでは3年生の前期に、この補数計算をテーマとした学習を扱っています。
仮想の買い物練習でも、毎年、子どもたちは、予想以上に真剣に取り組んでくれています。
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