高校入試における必要な内申

 これまで全3回にわたり、公立中学校の評定基準を取り上げてきました。

 今回は、高校入試において、どの程度の内申が必要なのかを書きます。

 まず、都立高校について

 都立入試では、内申が点数化され、当日の試験得点と合算され合否が決まります。
(一般入試の場合、中3の11月に実施されるスピーキングテストで最大20点加点あり)

 点数化の計算式として、

  主要5教科の合計
     +
 実技教科4教科の合計×2

 これを一般入試の場合、300/65倍 した数値となります。

 300点満点だと、内申がわかりにくくなるので、

 65点満点で目安を書いていきます。

 要はオール5で65、オール4で52、オール3で39ということになります。

 筆記試験の当日の得点状況もありますが

 ほとんどの教科で5を取ることが必要な学校として

 日比谷高校、西高校、国立高校、立川高校

 ここから先は、都内全域を書き切れないので、

 私の教室がある旧4学区で挙げます。

竹早高校 57

北園高校 55

文京高校 52

 このコラムをご覧になられる方は、これ以下は考えないと思うので、省略します。

 お住まいのエリアを確認したければ、「都立高校 内申」とでも検索をかければ

 一覧で見られます。

 一方で、私立高校について

 中学入試同様に、試験一発勝負の高校もありますが、ほとんどのケースで

 併願優遇推薦を利用します。

 併願優遇のシステムを簡単に書くと、都立高校あるいはその他の私立高校一般入試で合格できなかった場合に、入学が限りなく確約されるシステムです。

 その際に、内申が必要となります。

 中学募集がある高校でいくつか例を挙げてみます。

 私立の場合は素点です。

東洋大京北高校
  5教科23以上(その他条件あり)

駒込高校
  3教科14以上(その他条件あり)

桜丘高校
  5教科21以上

 あまり耳慣れない学校名かと思いますが、中学受験を意識する保護者の方が耳にする学校は、高校募集を停止しているあるいは併願優遇の制度をとっていない状況です。
(女子校はほとんど高校募集停止、男子校、共学校では最難関校のみが高校募集を行っているのが実情です。)

 これらの数字を見ればわかる通り、オール4プラスαがないと確約はとれません。

 確約がとれなければ、都立を大きく下げる等の併願の組み方が必要になります。

 以上のようにいまどき公立中学校のようすや高校入試における内申のしくみを書いてきましたが、中学入試を絶対的に推奨する考えではありません。

 たまに受ける「中学入試をやめて高校入試へ」というご相談において、現在の高校入試実情を把握されていらっしゃらないことが多いので4回にわたり書きました。

 中学入試の特性、高校入試の特性を十分に理解した上で、お子さまのことを考え、高校入試に方向転換をされることは、ひとつの選択肢だと思います。


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