持っている力を出しきるテストの受け方 その1

範囲の有る無し関係なく、何かしらのテストが実施され、その結果が出ると保護者の皆さまから、どうすればよいのだろうというご相談をよく受けます。

そもそも必要な勉強が足りていなければ、それは当たり前の結果であるのですが、ある程度の取り組みがあるにもかかわらず、もっと何かをやらせなければ、あるいはもっと他にやらせることがあるのではというご相談が大半を占めます。
「もっと」の前に、テストとは何が問われるのかを整理してみたいと思います。
学校や塾での授業での学習、そして家庭学習は、インプットするためのことが大半を占めます。一方で、テストでは、インプットしたものを、正しくアウトプットする力が加えて必要になります。
このアウトプット力をどのようにして高めていくかが、テストで好結果を出す鍵となります。
うまくいかない代表的な答案パターンを見ると、次の2つに分かれます。

① 解答欄にはすべて答えが書いてあるのに、×だらけ。
② 問題用紙が、解いているはずなのにとてもきれい。または、どこに何が書いてあるかわからない。

もちろん、この分類ですべてあてはまるわけではないですが8割方がこの2分類におさまります。
今回は、この①についての改善策を書いてみようと思います。
この①の改善策は、アウトプット力とはちょっと異なる話にはなりますが。。。

どの教科であれ、全問解答しきるということは、よほど力のある子でない限り、難しいことです。
にも関わらず、全問解答されている答案をよく見ます。
そもそも学校のテストと違い、塾が作るテストであったり入試問題では満点が続出する問題は作りません。
 
全問正解するためには、確実に時間が足りないはずです。

ということは、要は確実に正解出すことができるスピードを上回って解いていることになります。それでは、計算ミスであったり、問題文の条件を見落としたりして、失点だらけになるのは当たり前のことです。

まずは、確実に正解を出す自分にあったスピードで解くように変えることが大事かと
考えます。ただし、小学生のあるあるとして「全問解答命」の子が数多くいます。
そういう子はなかなかそのアドバイスに耳を貸しません。
 
つまりは「ゆっくり丁寧に解きなさい」というアドバイスでは治らないということです。

では、どうすれば治るのか?

周りの大人が変わるしかありません。

  「せめて平均点くらいは。。。」
 「正答率の高い問題は正解するように。。。」
 「クラスが落ちないように。。。」

などといった、相対的な評価基準で、お子さまを評価したり、声かけしていませんか?

例えばで挙げたこの3つの評価基準はテストを受けているときにはわかりません。
その見えない評価基準をクリアさせるというのは無理があります。
その結果、いい点数をとるためにたくさんの問題を解こうとする行動になります。
多かれ少なかれ、子どもたちは親の評価を求めます。

では、どんな評価基準にすればよいのか?

 一言でいうと正解率でしょう。
 具体的には、解答した問題に対する正解した問題の割合です。

総設問数が30問あったとして、解答できた問題が10問でもそれが全部正解であれば
大評価で良いと思います。
逆に30問解答して、15問の正解しかないのであれば、評価は低くてよいと思います。

極論、2問のみの解答で2問の正解でも大評価で良いと思います。
そんな体制にしたら、相対的に困ったことになるとご心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、それで実際にそういう行動をとる子はいません。ご心配いりません。

平均点、偏差値、正答率、クラスの昇降といった相対的なものに大人も含めて振り回らさせている気がします。
正解数が増えれば、放っておいても、相対評価は上がります。
まずは、時間がかかってても良いので、できる問題を確実に正解することを当たり前の習慣にすることが先決だと考えます。

②に関すること、そして、「自分に合ったスピードとは?」と思ったかもしれません。
この続きはいずれまた


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