7/31に文部科学省が小中学生の学力低下に関するデータを公開しました。
それに伴って、一部報道やwebコンテンツで、スマホやデジタル教科書、学習意欲の低下等さまざまに取り上げられています。
私はこの報道が出るずっと前から、子どもたちの学力低下に対して危機感を持っていました。
子どもたちと日々接していると、3年前、5年前、もっといえば10年以上前には、改善するための方策で、頭を悩ますことがなかったことが、年々激しい勢いで増えていっている気がします。体感としては、時代の流れと合わせて、3年スパンくらいで世代が変わったと感じていたものが、今は1年スパンで世代が変わっている気がします。
この一連の報道では、スマホが大きく取り上げられていますが、根源はもっと前と思っています。スマホや学校貸与PCで一気に加速したことは間違いありませんが。。。
これらが一因となっている事柄は、「便利さとひきかえに失ったもの」と考えています。
このコラムをご覧になっている保護者の皆さまは、携帯電話を手にしたのは社会に出てから、あるいは大学生・高校生くらいからではないでしょうか。
私が高校生くらいの頃、電話番号を自宅や友人宅等合わせて50件くらいは軽く覚えていた気がします。それが携帯電話を持ったあと、記憶しておく必要がなくなり、今は3件くらいしか覚えていません。
皆さまも同じだと思います。
これらの覚えていた電話番号は強制的に覚えたわけでもなく、自然と入っていったものだと思います。
一方、今の子どもたちはどうでしょう?
防犯対策の面もあって、ある程度ものこごろついた頃には、キッズ携帯、キッズスマホを持ち、覚える必要性がありません。
自宅住所も高学年でも言えない子が普通にいます。
これは時代の変化とも言えるでしょう。
防犯面のことから、覚えさせて外でペラペラしゃべられても困る面もあります。
自転車に住所や電話番号を記載するなど、今の時代防犯対策上考えられません。
そして、年賀状を書く習慣も大きく減りました。
また、アニメやゲームを通して、好きなキャラクターを自然と覚えるといったこともYouTubeなどのショート動画が入ってきて、子どもの興味はストーリー性のあるものからインパクト性のあるものに移行した結果、自然と覚える機会が減っていると思います。
そんな時代の変化もあり、身の回りの生活から自然と覚える経験を得てから、学習で何かを覚える流れが、お子さまによってはなくなっている可能性を感じています。
つまりは、学習で初めて何かを覚えるという状況になっているのかもしれません。
人が何かを「覚える」ということは、よほど興味のないことに関しては「丸覚え」かもしれませんが、何らかの「頭に残りやすいように紐付け作業が脳の中で行われて覚える」だと考えます。
「覚える」ことを苦手とする、今の子どもたちは、覚えなければいけないことに対して、一切の「紐付け・関連付け」なしに「丸覚え」になっているではないかと思います。
これからの子どもたちに対しては、「紐付け・関連付け」のアドバイスやきっかけ作りからスタートしなければいけないのではないかと、最近考え始めています。
ここで難しいのが、子どもによって、何から紐付ければ、何から関連付ければ入りやすいのかが違うということです。
すべてのことが、語呂合わせ的にどうこうできるものではありません。
今回は、覚えるということにテーマを置きましたが、「便利さとひきかえに失ったもの」がたくさんあります。それは子どもだけでなく大人も含めてです。
今、夏期講習中で、その後受験に向けて後半戦に入ります。
すきまの時間をみつけて少しずつ書いていこうと思います。
受験サポート 進学教室アシストのコラムでは、受験生・受験生を持つ保護者の方に向けてお役立ち情報として公開しています。



