読めない。。。読まない。。。学力低下。。。

 1ヶ月ほど前に書いた学力低下に関する話の続きです。

 日々バタバタですが、続きを少しづつでも書こうと、キーボードに向かっています。

 小中学生にノートPCあるいはタブレット端末が貸与されるようになってから5年が経とうとしています。

 5年目を迎えることで、教員側も慣れてきたことに加え、デジタル教育に十分なコンテンツも充実してきたなと感じています。

 そのおかげで、子どもたちのデジタル端末に対する操作能力も格段に上がっているように見えます。

 早い年齢から触れることもあり、個々の技量の差はありますが、高校生より中学生、中学生より小学生の方が全体として見れば、PowerPointなどの作成スキルに逆転現象が起きているようにも感じます。

 これは、子どもたちが将来大人になってからのことを考えると、学校教育現場でのDX化は大成功なのではないかと思います。

 ただ、それとひきかえに失ったなと強く感じることがあります。

 一言でいうと「読む力が大きく下がった」と感じています。

 原因としては「読む時間が減った」あるいは「読んで考える機会が減った」と思っています。

 例えば、学校で何かを指導するときに、以前であれば、教科書を用いて説明していたことが、今は動画や視覚的にわかりやすい形を用いて説明することが増えました。
 視覚に訴えた方がわかりやすいので、指導現場としては、積極的に活用するでしょう。

 それにより、活字やことばだけでは、理解できなかった子が、理解できる子が増え、底上げには最適です。

 しかし、活字やことばだけで理解できる子にとっては、読まなくて済む環境になってしまったので、読んで考える機会が確実に減ってしまった。そして、読もうとする習慣も失いつつあります。

 ゲームでつまづけば、昔であれば攻略本がありました。それが、今は動画解説です。

 学校教育現場だけの問題だとは思いませんが、さらに加速させてしまったのだと考えています。

 社会に出れば、読むことよりも表現力やコミュニケーション能力が重要になります。

 されど、日本の入試制度は推薦入試等多様化が進みつつもありますが、まだまだ読む力が重要です。

 体感としては、大半の子がそうなので、その場で読んで考える習慣を作るだけで、テストにおける相対的なものも大きく変わるところまでフェーズが変わってきていると思います。

 「よく読みなさい」と声をかけても「よく読む」ことの当たり前が、大人とは全くの別感覚になっている中、読むこと、読んで考えることの習慣化を持たせることが難しいと感じる今日この頃です。

 具体的な解決策を書けないのがもどかしいですが、私も完全に模索中です。

 ただ、そういう背景があることをわかって、お子さまに接するのと、自分の育った環境の感覚で接するのとで、お子さまへ伝わる何かが変わるのではと思います


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