6年生にとっては、どの塾に通っていても、自分の受ける学校の過去問への取り組みが本格的にスタートしている時期かと思います。
実施した結果の点数と、受験者平均点や合格者平均点、4教科合計しての合格最低点と差異で、心中穏やかでいない保護者の方が少なくないと思います。
私の教室に通う6年生の保護者の方からも、過去問結果からのご相談が後を絶ちません。
少なくとも第1志望校において、10月下旬段階で合格最低点をクリアするケースはごく一部のお子さましかいません。
そもそも過去問に記載されている受験者平均や合格最低点は、その年の2月の入試結果の数値であって、過去問を取り組み始めの段階の数値ではありません。
これから入試までの期間において、塾での演習(過去問に直結していない内容も含む)や今後の取り組み、さらには、お子さまに受験に対する意識の向上によって、毎年当たり前のように上がっていきます。
実際には、過去問では1回も合格最低点を超えたことがなかったけれども、結果合格したケースも0ではありません。
それでも、このまま過去問演習を続けていっても、良くなっていく気がしないという声も聞かれます。
確かに、過去問演習を無駄に消費してしまっているケースを、この時期には見られます。
① 時間を計らず取り組んでいる。
→ これは論外です。時間内での優先順位や時間配分の練習が行えません。
もちろん、時間内に解ききれなかったものを、時間外で取り組む必要はあります。
② 過去問を解くことだけに終始してしまっている。
→ 数を多くこなせばいいというものではありません。どんなミスをしてしまったのか。ちょっと視点を変えればできた問題があったのか。などの採点をして点数をつけただけでは気がつけない事柄があれこれあるはずです。それを検証しなければ、ただ問題を解いてみただけと同じになってしまいます。その検証なく、数をこなしても、進歩はないと思います。
③ 見た目で諦めてしまっている問題が多い
→ ②の視点を変えればできるということと若干重複しますが、ここ数年の入試傾向として、「見た目が斬新だがよく読めば実は易しい」、「問題文が長く時間がかかりそうだが、問題文の書いてある順に条件整理していけば実はすんなり解ける」といった出題をする学校が増えています。これは、大学入試改革に起因する面もありますが、読んで考える習慣がない子どもが増えていることを中学校側が体感し、読んで考えることができる生徒を集めたいというメッセージのように感じとれます。
この③が一番の原因になっているお子さまがとても多くいるように感じます。
実際に、今年の9月、10月に行われた「合格力判定サピックスオープン」でも、そのような出題が相応にありました。それらの正答率を見ると、「こんなに低いの?」というのが、率直な感想です。
裏を返せば、読みながら手を動かし、視覚的に考えることができるようになれば、一気に状況が変わるということになります。
残すところ約3ヶ月の対策として、
・できる問題を間違えない。
・できる問題(典型題)を1問でも多く増やす。
が当たり前のセオリーですが
・初見問題に立ち向かう意気込みとその練習
が必要なお子さまが今年は多いように思います
何を使って?
と問われれば、過去問でも模試でも、また塾の教材にも含まれています。
それらの問題から逃げずに立ち向かい続けた子が、ここから伸びると思います。
念のため。。。
それらの初見問題に対して、必要以上の反復は不要です。(塾での授業内で解説聞いているのであれば、自宅でもう1回、それで十分です。)過度な反復は、読む習慣を損ない、無用な記憶に頼る習慣を作るだけです。
もちろん典型題への必要な対処力(基礎力)の反復は必要ですが、そうでない問題への無用な反復は算数に限っては逆効果です
③に特化した話になりましたが、今年の6年生には、このことがとても大事と感じています。
受験サポート 進学教室アシストのコラムでは、受験生・受験生を持つ保護者の方に向けてお役立ち情報として公開しています。



