今回は、テストや日々の学習において、間違えた問題の、効果のある解き直しについて書きます。
子どもたち(特に小学生)は、どの教科も同じ感覚で解き直しをしているケースが多く見受けられます。
教科によって、効果のある解き直しは異なります。
もっといえば、同じ教科でも分野によって、そして間違え方によって、異なってきます。
ですので、算数・数学における、先につながる解き直し方を書きます。
それは解き直ししたことにならないよねと言わざるをえない、よくある残念な解き直しを挙げます。
① 赤で正解を写しただけ
→ 国語の漢字や理科・社会の用語であれば、それでも書く練習を1回したことになるので、意味なしとは思いませんが、算数・数学では何もしていないのと同然です。
② 解答に載っている式を赤で丸写し
→ このケースを一番目にします。
解答を見ながら、意味がわからないまま、写しても全く意味をなしません。
頭を使わず、手だけが動いているので、次に同じような問題が出てきたときにできるかと言われると、できないと思います。
解答を見ながら、頭を使った場合には、書き出しが解答と同じであっても、途中から、解答とは異なる式や、それに付随する筆算などの書き込み跡が残るので、丸写しかどうかは一目瞭然だと思います。
ここで、赤ペンのあり方を考えてみたいと思います。
学校教育の当たり前から、ほとんどの子どもたちが、間違えたら赤で直すという習慣ができています。
その習慣は全部悪いことではないですが、受験算数、中学校以上の学習においては注意が必要です。
小学校で学習する内容レベルでは、間違えたらすべて赤で通用すると思います。
それは単純な計算であったり、解答に至るまでの計算過程の回数が少ないからです。
一方で、受験算数や中学数学以降では、計算も煩雑になり、最終解答までの過程が長いため、全部を赤ペンでということは、見づらかったり、直す際に間違えて消す手間が出てきて、非効率であると考えます。
(最近はフリクションペンで消せるようになりましたが、消しゴムで消す方が楽です。)
それでは、赤ペンをどのように使えばよいのか、どのように解き直しを行えばよいのかについて以下の具体的例をもって書いてみたいと思います。
これは一例であって、絶対にこうすべきとは思いません。
この一例をきっかけにアレンジがあってよいと思います。
・ 計算問題含めてできたつもりの問題は失敗した箇所を赤でチェック
→ 前回のコラム「計算ミスを減らす手立て」のひとつになります。
その箇所が解答に至る後半なら、そのまま赤ペンでもよいでしょう。
前半だった場合は、あとは鉛筆でもよいのではないでしょうか。
また、問題文の読み落としだった場合は、問題文のその箇所に赤入れ
あとは、鉛筆で解けばよいのはないのでしょうか。
・ 解説を読んでも、全くわからなかった問題に対しては、解答・解説に赤入れ
→わからないことを赤で書き写しても意味がありません。
解説を読んで、意味の通じないところに赤入れをして、その箇所を指導者にアドバイスをもらうのが一番効率的です。
後日、自力で解けるかどうかの確認作業は必要です。
聞いてわかったからOKではなく、自力で解けるかまで取り組んではじめて解き直しの完成でしょう。
簡単にまとめるとこれで十分でしょう。
一般書籍やインターネット情報などから見聞きして、間違えノートを作るのはどうでしょうかなどのご相談もよくお受けします。
良いことだと思います。
ただ、今どきの中学受験をする小学生には、次々とやらなければいけないことが降ってきます。
間違えノートを見返す余力があるのかどうかだと思います。
見返す余力がなければ、作っただけの作品になってしまいます。
もちろん作るときの手間は、記憶に残る作業のひとつにはなると思います。
大事なことは、解き直しをしたことによって、次に活きるための反省があれば十分なので、
「わかる」が「できる」に変わることが増えたかどうかだと考えます。
仮にその場限りのことだったとしても、きちんと取り組んだその場限りは場数を踏むことで時間をかけて定着にたどり着きます。
受験をマラソンに例えて考えると、伴走者としての保護者の皆さまからは「1回」でという思いが書きながら伝わってもきます。
ですが、小学生と伴走するということは精神年齢が大きくかけはなれたハンディキャップマラソンとなります。
本テーマとはちょっと異なる締めくくりとなりますが、具体的な小さな成長を見つけ、認めてあげることが、きちんと解き直しに取り組んだ子にとっての励みになると思っています。
受験サポート 進学教室アシストのコラムでは、受験生・受験生を持つ保護者の方に向けてお役立ち情報として公開しています。