前回まで、偏差値についてこの時期に合わせたことを書いてきました。
今回は、偏差値を目安としない数字の見方について書いてみようと思います。
これは最難関校と呼ばれる学校に手が届きそうなお子さま限定の話になります。
偏差値という指針があるおかげで、ほとんど順位というものがテスト帳票に記載されてもあまり気にとめられない傾向が現在あるように感じています。
確かに6528人中2734番というような数字を見てもピンとこないのは当たり前だと思います。
しかし、上位生については、偏差値抜きに立ち位置をはかる指針になります。
偏差値はあくまでもテスト受験者全体の点数の散らばり具合から算出された数値であって、問題の難易度、正答率の高い問題、低い問題の数によって、結構変動します。
以前にも書いたことですが、例えば150点満点のテストで2回連続120点をとったして63が出たり、59しか出なかったりします。
その結果、偏差値が伸びなくて。。。。あるいは安定しなくてというご相談を毎年のようにテスト結果が出るたび受けます。
(もちろん、できる問題を何問も失点していたりした場合は、その通りの数値だと思います。)
一番わかりやすい例として、SAPIXでのテストを例に挙げます。SAPIXは合格実績として数多く最難関校に合格者を出しています。
開成・麻布など1人で複数の合格を得ることができない数から算出すると、男子の場合、男女別順位で500番以内のの順位であれば、その時期の立ち位置として十分可能性のある位置にあると言えます。
それが300番以内であれば、開成と麻布の合格者数を超えるので、そのテスト結果においてはほぼ合格という位置だといえます。その300人の中には開成や麻布を受けない子もいます。共学志望であったり付属志望であったりする子がいるからです。
そういう意味で500番以内という数字で十分と考えます。
早稲田・海城あたりであれば1000番以内で十分な位置づけと思います。実際4桁順位で合格している子は毎年数多くいます。
女子の場合でも同様です。合格実績から出ている数字だけを見ると500番以内で大丈夫かという面もありますが、毎年6年生と向き合っている体感としてという桜陰・女子学院・豊島岡あたりで500番、吉祥、鷗友あたりで1000番で十分な感じがします。
実際の入試でも、合格者は点数の高い順に合格者を出すので、要は順位です。
偏差値は散らばりによって算出される数字です。偏差値65で500番のときもあれば、偏差値61で500番のこともあります。成績上位生だけが参考にできる見方限定になりますが、偏差値の上下だけでなく、順位としてどうなのかにも目を向けてみてはいかがでしょうか。
仮に偏差値が下がっていたとしても、順位に大きく変動がなければ、成績が下がったわけでも、テストの受け方に問題があったわけでもないと判断できると思います。
この4月の模試から次の模試まで多少、間があくとはいえ、9月以降は毎月のように数字と向き合うことになります。
精神衛生上のこと含めて、正しく数字と向き合ってもらえることを願っています。
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