□を求める計算の落とし穴とその攻略

計算問題で□の計算(いわゆる逆算問題)を苦手、ミスをしてしまう子は少なくありません。

実は□の計算において、ミスが起きやすい問題とそうでない問題があります。

具体的な問題として、2題ならべてみます。

この2題が同時にテストで、出題されたとして、結果的にどちらの問題の方が
間違えてしまう子が多いと思いますか?

実は①の方が圧倒的に間違える子が多いです。 これが4年生に出されたテストだとすると、正答率に10%~15%の違いが 出ます。 私の教室に多いSAPIX生が受けたテストであれば、①が80%、②が91%と いったところでしょうか。

これは整数の問題なので、差異は10%程度ですが、分数・小数が混ざった問題と
なる具体的な問題を2題ならべてみます。

この2題だと、④の方が間違える子が多くなります。6年生後半でのテストとして
③が88%、④だと73%といったところでしょうか。

どうして、このような差ができるかというと、問題の構成によるものです。

問題の構成としての共通点は、②と③は式の答えから順番に戻っていけば□の値にたどりつくのに対し、

①と④は、下線部分のように、逆にたどっていく前に計算できる部分があります。

この部分があるかないかで、ミスする子としない子の差が生まれます。

小学生は、数式に対して「項」という概念がなく、四則混合計算のきまりに
したがって解くしかありません。
もちろん、四則混合計算のきまりに正しく解答することはできます。

この①で、どんなミスが起きるのかを挙げます。
まず、「54÷6」で失敗することは、ほぼありません。
しかし、9という数を出しておきながら、この元の式を見て、突然もう計算した
はずの54や6を使った計算をし始める子が出てしまうのです。

実際、①では、見た目も複雑ではないので、乗り切ることができますが、
④になると、だんだん混乱し、あり得ない計算が多発します。

②、③ではミスしないのに、①、④ではミスが起きる。

改善策は単純です。

下線部の逆算できる部分をまず行い、あとは逆算するだけの式を自分で書きます。

つまりは

と自分で式全体を書き直せば、②、③の要領で解けば、確実にミスは減ります。

構成の違いを理解し、それによる対処法を実践してみるとよいと思います。

そもそも②、③タイプで、おぼつかない場合は、それ以前の話になるので

それはいずれまた

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