6年生 夏休みで身につけておきたいこと(算数)

夏休みが始まりました。

もう少し早くこのコラムを挙げたかったのですが、教材準備に追われ、ちょっと遅くなってしまいました。

中学受験を目指す子にとって、6年生の夏休みというと、まさに天王山と言われる期間になりますが、そこで何を習得するべきなのかということを書いていきます。

ほとんどの大手進学塾では、受験に必要な単元学習は終了し、夏期講習を迎えます。

6年生1学期までのカリキュラムによって、この夏に身につけることが変わってきます。

具体的に大きく2分類すると、

① 6年生1学期で全課程が修了し、この夏から総合学習に入るカリキュラム
→ 日能研・啓明館・栄光ゼミナールなど

② 5年生まででほぼ全課程が修了し、総合学習がこの夏2巡目となるカリキュラム
→ SAPIX・四谷大塚・早稲田アカデミーなど

まずは、①のカリキュラムに基づく夏期講習について

驚くくらいにこれまで学習してきたこと内容の穴(未定着・忘れている)が出てきます。
「こんなに抜けていて大丈夫?」というご相談を受けます。
塾側としては想定の範囲内です。
そもそも、その穴を発見し、ひとつひとつ埋めていくのが、このカリキュラムに対する正しい夏休みそして夏期講習の過ごし方です。
日々の講習の教材以外に、基本典型題を身につけるための教材があるはずです。
それを日々の復習以外に、隙間の時間で反復を繰り返すことが重要です。

夏休みの終わりに、穴として発見されたことが、いつでも自力で解けるという実感が伴えるようになれば、算数の夏休み学習として大成功と言えると思います

たくさんの問題を解いたという実感だけで、自力で解けるようになっていないという状況は避けたいところです。

次に、②のカリキュラムに基づく夏期講習について

6年生1学期中に全領域を一巡しているので、①のカリキュラムに対して内容の穴は少ない子どもが多いです。それでも穴は出てきます。最優先はその穴を埋めることにつきます。

ところが、実際に講習を受けると解けない問題がそれなりに出てきます。
それに対して、「基本ができていないのでは?」とご相談をよく受けます。

実は2巡目総合学習の中には、初見対応力を養成するための問題が含まれています。

実際の入試では、ある一定レベル以上の学校となると受験生の誰もが見たことのない問題がそれなりに出題されます。こういった問題に対応するために典型題とはいえない問題が教材の中に含めています。(もちろん、問題文をきちんと条件整理したり、図形問題であったとしても鉄則となる行動を行えば、基本の複合でしかありません。)

これをあたかも典型題として、何度も反復させることは、本来の目的である初見対応力を鈍らせる学習法となってしまいます。(解き直しとして、少なくとも1回は復習する必要はありますが。。。)

これを読むと、何をきちんと徹底し、何を解き直し程度にすればよいか判断つかないと思います。②のカリキュラムの家庭学習の難しさはここです。

授業内で、指導者がコメントしているはずです。
解くこと、正解することに夢中になり、このコメントを聞き逃している子どもが多いです。お子さまが塾から戻り、問題の出来不出来を聞く前に、今日の授業内容に対し、何をどうすれば復習すればいいのかの指示が出たのかを聞くことが大事と思います。

私の教室に通うサピ生は、目先の翌日のテストにばかり意識が行ってしまっている子だらけです。
中学受験後のことを考えると、それを私が全部指示してしまうことがいいのか迷いながらも時期柄その子にとって最善の道を指示しています。

②のカリキュラムで進めている子の夏休みは、穴を埋める作業もありますが、「初めて見た問題だったけれど脳みそに汗をかきながら頑張る」という経験値を高めておくと、秋以降の過去問演習時に、その成果が早く出始めます。

4年生や5年生にとっての夏のあり方についても、追って書いていく予定です


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