自習スペース上手な活用法

  家で勉強させようとしても、いろいろ気が散って集中できない。
ちょっとやったら、「水を飲む」「トイレに行く」「ぼーっとしている」
ほとんどの保護者から、よく受ける相談と愚痴です。

 そんなこともあり、私の教室の自習スペースを利用する子どもたちがたくさんいます。

 私の教室に通っていなくても、自習スペースのある個別塾を併用している。
 そもそも自習スペースがある塾を選んでいるご家庭も少なくないと思います。

 今回は、塾の自習スペースの上手な活用法について書きます。

 小学生が通う塾の自習スペースであれば、そこに質問・相談等ができる指導者あるいはアドバイザーが何らかの形でいると思いますので、その前提で活用法を焦点をあてます。

 まず、自習スペースで効率よく学習できる子とそうでない子の違いです。

 私の教室の自習スペースする子どもたちを大きく分類すると、次の2つに分かれます。
 他の塾でも同じだと思います。

・明確に取り組むことを指示されて来ている。

・特に指示がなく、やるべきことをやってきてと言われて来ている。

 ご家庭の状況によって指示出しまでできるかどうか異なるので、指示出しできるかどうかは問題ではありません。

 いずれの場合でも、到着したら、まず何を取り組むか、その場にいる指導者に宣言あるいは相談することです。

 何をするのかを耳にすれば、気にかけてもらえるだけでなく、お子さま自身も心理的にそれをやらなければと取り組む意欲も変わります。
 大げさなことでなく、「今日は~~やる」だけで十分です。

 私の教室の場合では、私から「今日、何をやるの?」が挨拶なもののようになっているので、自然体です。
 実はここで反応が分かれます。
 指示の有無とは関係なく、明確に「今日は~~やる」と即答する子と、「え~っと。。」 とそこで考え始める子に分かれます。

 私の教室の場合では、反応悪い子には「何を持ってきているのか」「何をやらなければいけないのか」「何からやりたいのか」のような会話のやりとりによってやるべきことの整理が行えるのですが、すべての自習スペースでそれが行われているとは限りません。

 その場合、送り出す際に、「何をやってくるの?」という声かけがあるだけでも、気にかけてもらっている意識になるので、取り組みの善し悪しに変化は出ると思います。
「行っている割に、何をしているんだか」と感じている保護者の方がいらっしゃたら、試してみてください。

 次に、指導者がいる自習スペースで、取り組みに対して困ったことを解決できる子とそうでない子の違いです。

 これは、前回のコラム「わからない問題の上手な質問の仕方」につながる面となります。

私の教室には、小学生から高校生までいます。曜日や時間帯によっては、1人しかいない場合もある一方、複数の学年の子が同時に自習しているケースが多々あります。

 また、学年関係なく「いい意味での質問魔」もいます。質問をする行動が苦手な子であっても、その子を見て、「質問しないとダメな空気感」が生まれ、徐々に上手に質問をして解決するようになっています。小学生の場合、精神年齢の発達具合もあり、5年生後半くらいになって、自分が向上するような質問になってきます。
宣伝のようになってしまっていますが、これが私の教室環境における強みです。

 一方、質問するために質問場所まで移動しないとできない等の環境の場合に、保護者が間接的にできることを最後に書きます。

 単純なことで、自宅に戻ってから、「どんなことをしてきたのか」「何か質問をしたのか」を聞くだけです。
 もちろん、そこで具体的にあれこれ話をし始める子の方が少ないと思っています。
 返答が稚拙であったり、面倒がったりのことの方がが多いと思います。
 それでも聞くと「ことばの投げかけ」になり、その返答がどういう形であっても、子どもたちは「頭の中で今日行ってきた行動を振り返る」ことを無意識の中で行います。
 会話のキャッチボールになっていなかったとしても、振り返るきっかけを作ることになります。
 即効性のある行動の改善とはいかなくても、長期的には見れば、実はそういった積み重ねがお子さまに変化を与えます。

 もしも、具体的にどんなことをしてきたのかを話すようであれば、そのことだけで十分に評価に値すると思います。点数や偏差値の向上だけが成長ではありません。

 大人は結果に対しての評価になりますが、成長過渡期における小学生には行動に対する評価も必要と考えます。


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